2014年4月11日金曜日

4月4日の意見交換会:産経新聞記事

放射性物質含む焼却灰 試験埋め立て計画 横浜市と港運協会の議論平行線

http://sankei.jp.msn.com/region/news/140409/kng14040922485009-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/smp/region/news/140409/kng14040922485009-s.htm
2014.4.9 22:48
 


 
 東京電力福島第1原発事故の影響で、放射性物質を含む下水汚泥の焼却灰が日々増え続ける中、その処理方法をめぐって横浜市と横浜港運協会など関係団体との対立が激化している。焼却灰の保管場所が満杯の状態になっており、市は南本牧廃棄物最終処分場(横浜市中区)への試験埋め立てを計画。これに対し、同協会などは「安全性が確認できない」と反対しており、両者の議論は平行線が続いている。(古川有希)

 ■失笑漏れる説明会場

 「放射性物質が漏れないか心配だ」「焼却灰はどう運搬するのか」

 4日夜、横浜市内で市民団体「hamaosen(ハマオセン)対策協議会」主催の説明会が開かれ、地元住民は市の担当者に率直な思いをぶつけた。市の小浜一好下水道施設部長は「心配される気持ちは分かる。安全性を丁寧に説明して理解を得たい」と繰り返したが、具体案は全く示されず、会場からは失笑が漏れた。

 市は原発事故を受け、平成23年5月から横浜市内の焼却灰の放射性物質濃度を測り始めた。国は事故後の同年6月、焼却灰の埋め立て可能基準について、1キロ当たり100ベクレルから8千ベクレルへと大幅に引き上げたが、市の測定した数値は最大で6500ベクレルと基準を下回っていた。それでも、放射性物質を含む焼却灰の引き取り先はなく、市内2カ所にある汚泥資源化センターにコンテナを設置して保管するようになった。

 同年9月には、市が焼却灰を南本牧の最終処分場で水面に埋め立てると突然発表したが、地元住民らがこれに猛反発。市はこの方針を一旦凍結し、関係者の了承を得ようと説明を続けてきた。

 だが、この間も焼却灰は1日30トンペースで増え続けており、2カ所での保管量は既に3万トンを超えた。特に南部汚泥資源化センター(金沢区)では“受け皿”が限界に達した。先月中旬からは、ポリプロピレン樹脂製で密閉性の高いフレコンバッグに焼却灰を詰め、敷地内の道路や使っていない工場建屋の中などに仮置きする措置を取り始めたが、担当者は「これも2~3カ月持つかどうか」と困惑する。


 ■リミット「言えない」

 市は昨年9月、安全性に配慮しつつ、現在では数値が500~600ベクレル台にまで下がっている焼却灰を、水面ではなく陸地部分に埋め立てる新たな方針を示し、今年度予算に焼却灰の処分等経費として2億9900万円を計上した。

 これに対する関係者の受け止め方はさまざまだ。横浜港運協会は予算化に反対し、先月、試験埋め立て計画の即刻中止などを求める緊急声明を出した。

 同協会の水上裕之企画部長は「(最終処分場を含む)南本牧ふ頭は将来の横浜港の戦略拠点と位置づける重要な場所」と指摘。その上で、「(原発事故前の基準だった)濃度が1キロ当たり100ベクレル以下にならない状態での試験埋め立ては認められないし、南本牧でやる理由も理解できない」と訴える。

 一方、地元の本牧・根岸地区連合町内会は先月、試験埋め立ての方法や焼却灰のモニタリング、不測の事態が生じた場合には即刻中止することなどを条件に試験埋め立てを了承した。岩村和夫会長は「濃度は自然界と同じレベルまで低くなっている。(試験埋め立ては)地元の人たちも了承している」と話す。

 関係者の思いは一枚岩ではないが、共通して危惧しているのは市が強制的に試験埋め立てを始めることだ。説明会の参加者は「予算のときも『まだ』と言っていたのに計上され、疑心暗鬼になっている」と憤る。

 市側は「関係者の了承を得るまで試験埋め立てはしない」と繰り返すが、試験埋め立てに踏み切らなければいけないリミットについては「言えない」(小浜部長)としている。



 横浜市が下水汚泥焼却灰の試験埋め立てを計画している南本牧廃棄物最終処分場=横浜市中区

南部汚泥資源化センターでは保管スペースがいっぱいになり、焼却灰が敷地内の道路に仮置きされている=横浜市金沢区



 ■南本牧廃棄物最終処分場=横浜市中区の南本牧ふ頭内にある海面処分場で、埋め立て面積は約21ヘクタール。平成5年に埋め立てを始め、29年度まで埋め立てる予定。遮水護岸で周囲の海と完全に隔離し、護岸内部の水面に一般産業廃棄物などを埋め立てる。横浜市は放射性物質を含む焼却灰について、当初は水面に埋め立てる案を提示していたが、水面の埋め立てで陸地化した部分にのみ埋める方針に変更した。


1 件のコメント:

  1. 10日もたって何も決まらない
    これでは、新たな事故が起きた時市民は守れない
    放射能の危機管理体制が 横浜市には全くないのか

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