2011年9月26日月曜日

市長宛抗議文への対応の説明



横浜市担当局による
「南本牧処分場への放射性焼却灰海面埋立に反対する会」が2011/9/11に提出した
市長宛抗議文への対応の説明





◆ 日時:2011/9/22 14:00-16:20

◆ 場所:市役所内1F小会議室

◆ 出席者:
環境創造局 下水道施設部長 小浜部長 :建設、維持管理
環境創造局 下水道計画調整部 下水道事業推進課 中村課長 :下水道技術、下水道の経営、中期計画、技術評価、安全評価
資源循環局 山田課長 :処分場管理

井上桜市議会議員

南本牧処分場への放射性焼却灰海面埋立に反対する会 代表メンバおよび賛同者


◆ 配布資料:
・記者発表資料
・埋め立てを実施します(記者発表資料)
・下水汚泥は資源の宝庫
・南本牧最終処分場のパンフレット


◆ 冒頭挨拶

中村部長から:
おわび。9月9日記者発表。説明が不足しているという指摘が多かった。
今回凍結に決定。丁寧な説明をしていく。
時期的にはいつまで凍結かわからない。
市民が安心して納得しなければ実施しない。


◆ 市局からの発言のまとめ

◇ 9月9日発表の「放射性物質を含む汚泥焼却灰等の処分に関する安全評価検討書」(以下「安全評価検討書」)

・安全評価上、処分に関する国のめやすは3つ示されていた。
(事故以前から)一般公衆、作業に関する者、 工事に関わる者。国際原子力機構の値。
・「安全評価検討書」は、「(国の)考え方」「処分場に詳しい人」を探し、横浜のデータを渡して確認してもらった。
つまり指針が無かったため、国の「めやす」に従った。
・国のめやすは変えられないので、安全評価をよりリスク側に設定した(入力側の得データを高い値を使用)。
・実験室レベルで、焼却灰を水に溶かしセシウムの計測を行ったが、検出されなかった。
・委託の費用1400万円。但し支払いは未。さらに3名に褒章費として支払を実施予定だったが、辞退した方がいる。
これらの費用は東電への請求対象として考えている。
・9月9日発表、15日以降埋め立て、と急いでいたことは事実だが、月曜日が新聞の休刊日であったことは知らなかった。
・8月末に、8,000bq/kg~100,000bg/kgの焼却灰の最終処分に関する考え方が提示された。


◇ 焼却場に関して

・以前、8000ベクレル以上の灰は出たが、別に保管。
・焼却時、敷地境界で計測を実施。特に問題ないと考えている。
・放射線量は、いずれも最近は下がってきている。
・北部では、焼却灰を改良土(公共工事の埋め戻し材)として使ってしまった。
最大で13,000bq/kg。
最近は4,000bq/kg程度。
・南部では、焼却灰はセメントの原料として再利用してきた。
横浜改良土センタ株式会社。その後、どう使われたかはわからない。
最大6,468bq/kg検出された。
今でも。100Bq/kg以下のものは使っているが、需要は落ちている。
最近は2,000bq/kg程度。


◇ 南本牧処分場・海面埋め立てに関して
・南本牧処分場で、海にそのまま灰を入れると思われてしまったが、実際には区切りがある。区切り内に灰等をいれたり雨が降ると水面が上がってくるため、これを濾過して外(=海)に戻す。
・これまで水を海に戻す時、活性炭を使ったフィルタ処理を行ってきた。しかし放射性物質があることは想定していなかった。このため、放射能を吸着することが期待されるゼオライトを使用することを検討。但し高濃度になったゼオライトの処分方法は未定。
・実験室レベルで、水に灰を入れてもセシウムは水から検出されなかった。
・南本牧処分場を作った時の津波想定は1m、3月11日には1.6m、このため想定を3mにする方向。
・水においての放射能の検出限度は10Bq/l。


◇ 市長の凍結発表前後の対応

・事前に小学校には説明していない。
・すでに凍結についての説明会を行っている。
・凍結のお知らせとお詫び、はほとんど終わった。その後の説明会のやり方についても、地元と相談しながら行う予定。


◇ その他

・被災地のがれき受け入れは、要求があれば受け入れることは表明している。しかし、焼却しても灰を市内処分することは考えていない。
・放射性対策部がある。(3副市長と関係局による)これが市としての最高決定機関。
トップは災害対策本部の長である市長。行政職。一番専門的検知からの発言は保険所。
この会議は、専門家の意見を聞く場ではない。今の所専門アドバイザはいない。健康福祉局がとりまとめ。
・余分な費用は東電に請求する。
・すでに、東電への申し入れは行った(日程は確認必要)


◇ 今後、市側が検討していくこと
・市長の凍結発表を受け、安心を安全にかえていくことを検討する
・中間置き場、管理施設、仮置き、建物内に保管することを含めて検討する
・国・東電への申し入れ(原子力障害賠償法)を行う
・独自の基準を作ることも含めて検討する
・南本牧処分場の津波対策
・凍結、検討経過を含め説明するやりかたは、持ち帰って検討する。


◇ 市側から会へ
・褒章費の額を知らせる
・すでに行ったという東電への申し入れ日を知らせる(凍結発表前か後か)


◆ 市民側からの要請・提案のまとめ

◇ 処分について
・最低でも、津波対策が終わらないと、処分はできないはずだ。
・灰をそのままの状態での海面埋め立ては中止して欲しい。今、灰のまま投棄すると、将来、より良い処分法がわかったとしても何もできない。
・8000ベクレル以下でも、8000以上のような処理をすることもできるはず。
・国の基準で処理した場合でも、汚染物の管理全部を横浜市で対応できる話ではないはずだ。計算をして、長期間の対応は無理だとギブアップしてしまった方が良い。しても良い、と法律にある。

◇ 安全性の基準設定に関して
・有識者を市民から推薦したい。
・有識者に、人体への影響の専門家、低線量被曝の専門家も入れて欲しい。
・国のめやすでをそのまま使うのではなく、横浜市独自の基準を作って欲しい。
・安全を確認するには、現場を見て欲しい。(「安全評価検討書」を作成した大学教授らは、処分場の現場を見ていない)

◇ 説明について
・町内会だけでなく、小学校や別の方法で市が主催してやればいい。10時~12時のママタイムや、保育園などに行ってやればいい。
・説明会は、区民に丁寧に行って欲しい。自治会の長などでは不十分。
・別途意見交換で、安全評価を説明して欲しい。

◇ 全体方向性について
・放射能対策は、今までのやり方では駄目。
・松本市は、早くから学校給食の材料を西日本から調達することにし、市民の信頼を得ている。このような独自施策は、横浜でもできるはずだ。
・今回の海面埋め立ての凍結決定は、非常に好意的に受け取られている。さらに踏み込んだ独自施策を行って、横浜がモデルを示すようになって欲しい。
・ある程度方向を決めてから、説明会、というのは困る。方向性を決めてから説明会をしても、止まらない。今の凍結状態で、市民と対話して欲しい。
・開かれた説明会・意見交換会を説明して欲しい

◇ その他の意見
・安全を安心に、と言うが、今ある基準が安全でないと皆考えている点を重視して欲しい。
・放射能関係の窓口を一本化して欲しい
・すでに行った研究評価ありきではなく、考え直して欲しい。
・焼却場の排煙にフィルタを設置、さらに精度の高い測定器を備えて綿密な測定をお願いしたい。高価なものでも、東電に請求して欲しい。
・東電へ抗議していることは知らせて欲しい。
・しっかりとした中間貯蔵をして欲しい。水に埋立てたら、後から何もできなくなる。
・東電の敷地への仮置きを検討して欲しい。


◆ 参考:会見中にコメントがあった情報アドレス

8000Bq/kq超100000Bq/kg以下の焼却灰等の処分
8月31日、環境省、廃棄物対策部
http://www.env.go.jp/jishin/attach/no110831001.pdf


環境創造局
放射性物質を含有する下水汚泥
http://www.city.yokohama.lg.jp/kankyo/gesui/housyaseibussitsu/

2011年9月19日月曜日

9月22日に担当局との話し合いがあります

9月13日に市長宛に提出した抗議文に対して、担当局との話し合いの場が開かれます。


時間 来週の22日(木)午後2時~
場所 市役所の議会棟1階 奥 小会議



抗議に参加した方、当局側の説明、返答を聞きたい方は横浜市役所のピアノがあるロビーに午後1時30分に集合してください。

2011年9月15日木曜日

エネパレのスタッフと一緒に現地の見学会を実施します


目次


【1】放射性廃棄物の海面投棄について


横浜市は9日、処理済みの焼却灰から放射性物質が検出された問題で安全性を確認し、
保管中の焼却灰約2700トンを南本牧廃棄物最終処分場(中区)に埋立てると発表しました。

決定から6日後の15日に海面投棄開始、
この事実を知らない方も多いのではないでしょうか。

市環境創造局によると、焼却灰からは高濃度の放射性物質が検出され(最高6,468ベクレル/kg)
これをふたも屋根もない海に投棄するといいます。
しかし市は 6月に国が出した「1キログラム8千ベクレル以下ならば埋め立て可能」を受け、
独自に埋め立ての安全性を評価したそうです。

市はさまざまな被ばく状況をシミュレーションした結果、
運搬や埋立の処分時では年間1ミリシーベルトを超えず、
跡地利用時は年間10マイクロシーベルト以下と確認、健康には影響しないと判断。


この唐突な問題に対して、全国から市の対応に疑問・怒りの声が挙がっています。
議会での議論も十分に行われず、汚染した下水汚泥の処理や安全性も分からず、
地元住民への情報公開・説明があまりにも少ないからです。
本当に海に投棄されたら、日本だけでなく、世界の海も汚染されていしまいます。

13日、これに対して一般市民による反対の会の約80人が、海面投棄中止を求める抗議文を市に提出。
同日、横浜市会議員の方のブログにて南本牧への海洋投棄が延期になったとの情報があります。
でもあくまで中止ではなく延期。まだ今後も油断はできません。

【2】アクション-すぐできること--


もし埋め立てが行われたら?想像してみましょう。
身近な所では、魚介類などの食物や生態系へも影響し、
今まで食べられていた物が食卓から消えてしまうかもしれない。
海でおこなう、トライアスロンやサーフィンを楽しむ事も難しくなる。
日本だけじゃなく世界の海を守るためにも、
みんなでアクションで起こしましょう!

<Lets Action!>
◆横浜市役所に電話、FAX、メール、で抗議の声を伝えよう!
担当は市環境創造局です。

◇電話番号 :045-671-3741
◇FAX :045-661-2351
◇メールアドレス:sh-kochosodan@city.yokohama.jp

◆twitterでつぶやいたり、情報を広めよう!
◇横浜市twitter アカウント
@yokohama_saigai
@yokohama_koho

◆9月15日に直接現地に行こう!
公式に市からの回答が芳しくない場合、エネパレは
【9月15日(木)】に座り込みを兼ねた、南本牧廃棄物最終処分場の見学に行こうとしています。
ぜひたくさんのメンバーに参加をしてほしいです。

日時:9月15日
※時間については未定ですが、8時前後を予定しています。
一度連絡をもらえたらと思います。

集合場所:JR根岸駅
(目的地:南本牧廃棄物最終処分場 http://104.com/name_0456259647/
「横浜市南本牧廃棄物最終処分場管理事務所」 神奈川県横浜市中区豊浦町 045-625-9647 )

問い合わせ先:小宮
080-5672-3821/sawabanggg@yahoo.co.jp

【3】ことの経緯 (2011年9月)


今回の横浜市の埋め立てに関する一覧の流れをまとめてみました。


9日(金) ー横浜市 環境創造局がホームページ上にて
「下水汚泥焼却灰の埋立を実施します ~安全を確認~」と公式に発表
 http://www.city.yokohama.lg.jp/kankyo/kisha/h23/110909-1.html


11日(日) ー「放射性焼却灰を南本牧処分場へ海面投棄することに反対する会」※発足

13日(火)ー横浜市に対して抗議文と署名の提出・記者会見の実施
梅津 秘書部長は「15日までに回答します」とコメント
ー同日、横浜市会議員の方のブログにて
南本牧への下水汚泥焼却灰を埋め立て延期になったとの情報があります。
http://furuyayasuhiko.blog15.fc2.com/

14日(木)ー抗議に対する回答の予定日

15日(金)ー横浜市が発表した放射性廃棄物の海面投棄開始日


※一般市民によって9月11日にできた、
「放射性焼却灰を南本牧処分場へ海面投棄することに反対する会」のメンバー、
およびこのニュースを知って抗議にかけつけた一般市民。


<参考/関連ニュース>

~横浜市の資料~
◆この件についての横浜市の記者会見資料
http://www.city.yokohama.lg.jp/kankyo/kisha/h23/images/110909-1.pdf

◆横浜市 環境創造局「放射性物質を含む汚泥焼却灰等の処分に関する安全評価検討書」
有識者がお墨付きを出したという。
http://www.city.yokohama.lg.jp/kankyo/gesui/housyaseibussitsu/kentousyo.pdf


~問題を詳しく知りたい~
◆放射性物質検出の焼却灰、中区で埋め立て処分の方針/横浜市
:ローカルニュース : ニュース : カナロコ -- 神奈川新聞社
http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1109090035/

◆全国初!放射性廃棄物を海面投棄する「南本牧処分場」への下水汚泥焼却灰処分、
キケンがいっぱい。 - 井上さくらのトキタマ日記
http://d.hatena.ne.jp/sakuraline/touch/20110911/1315740637

~新聞の報道~
◆産経ニュース「住民に説明ない」横浜市議会、セシウム灰埋め立てで市の対応批判
http://sankei.jp.msn.com/region/news/110913/kng11091320530006-n1.htm

【4】問題点


1)偏った専門家による安全性の評価への疑問
横浜市はこの処分を決める際、以下の有識者によって安全性が評価されたとしてます。
http://www.city.yokohama.lg.jp/kankyo/gesui/housyaseibussitsu/kentousyo.pdf
その有識者とは、田中 知氏(原子力学会学会長)を先頭に、国の審査委員の名がずらり。
またセシウムのみの測定にも疑問の声が寄せられています。
もっと様々な側面から、色々な立場の研究者・学者による安全性の十分な検証が必要です。


2)不十分な情報公開
議会も通さず、東京湾内付近の住民・漁業従事者への説明もなく決定がされ
困惑する人が多くいます。

とにかくこの問題を「知らなかった」という人が声がたくさん。
決定からたった6日間で海洋投棄開始、ニュースでも伝えられず
twitterやSNSを使って、一般の人たちが問題を知らせてくれました。

この問題に関して、市民への情報公開として
東京湾内の住民、ひいては日本国民への説明会も設けることが必要です。


3)日本の海から世界中の海への汚染拡大のおそれ

今回の海面投棄は、「海水面埋立方式」のためフタも屋根もなく、
横浜港の海水とは「遮水護岸」という水を通さない壁で仕切られているのみ。
処分場の浄化装置を通して、海に放射性物質が放水しています。

とはいえ、放射性廃棄物の投入など想定されていないため、
浄化装置がセシウムなどを全て取り除ける訳ではありません。

また津波の想定はされていませんから、護岸を超える波がくれば、
処分場の中も外も一緒になってしまう構造です。

市は、国の埋立基準濃度(8,000ベクレル/kg)を下回っている、としていますが、
この基準を決めた国の通知
「放射性物質が検出された上下水処理等副次産物の当面の取り扱いに関する考え方」は、
海面埋立も、処分後の土地利用も想定していません。
(参考:横浜市市会議員 井上さくらさんのHPより)

横浜、日本の海が汚染されるだけではなく世界中の海にも影響が広がることになります。
そうすれば、国内にとどまらず世界への十分な安全性の説明責任も求められます。


4)横浜市の決定が全国自治体に影響する可能性

政令指定都市であり、政治・産業・観光として国際的都市でもある
横浜市は、日本全国に重要な影響力を持っています。
もし横浜市がこの焼却灰の海面投棄を容認し、こうした事例ができてしまえば
いずれ、周辺市や県にも広がるかもしれません。
そうすると日本国中に放射性物質が巻き散らかされる可能性もあり
どこから手をつけていいかわからない事態が出てくることが予想されます。
全国初のこの決定を、中止・阻止する必要があります。

2011年9月13日火曜日

横浜市長へ抗議文を提出

南本牧最終処分場への放射性焼却灰の海面埋め立てを撤回の要求を含んだ抗議文を横浜市長に提出するために、共同代表の5人と多くの市民が横浜市役所に集まりました。

Twitter、多方面のメーリングリスト、Mixiなどから情報を知り、前日の呼びかけにもかかわらず100名近い市民が横浜市役所ロビーに集合した。

周辺住民、横浜港労働者、漁業組合、釣り船業者などへの通知もなく、最高6000ベクレル/kgの放射性の焼却灰を海面に埋め立てることに対し、多くの人が怒りと疑問を感じた結果だった。

Twitterで抗議を知った俳優の山本太郎さんもかけつけた。

15時からの抗議文提出に林文子横浜市長は現れず、代理人に抗議文を提出。
集まった市民から「横浜のシンボルである港を勝手に汚すな」「これから開かれるトライアスロンのことを考えてくれ」など必死な思いの込められた声が上がった。

そのあと、記者会見が開かれ、「放射性焼却灰を南本牧処分場へ海面埋め立てすることに反対する会」の発足経緯、抗議文が読み上げられ、共同代表のひとりから集まったマスコミ関係者に対し、「報道がきちんと放射能問題をとりあげてくれたら、国民の被曝を防ぐことができた。これからはしっかりした対応を求める」と厳しい言葉が投げかけられた。

2011年9月11日日曜日

放射性焼却灰を南本牧処分場へ海面埋め立てすることに反対する会 発足

9月10日に発表された、下水汚泥を処理した焼却灰約2700トンを南本牧廃棄物最終処分場(中区)に埋め立てる横浜市の方針を受け、それを危惧した一般市民5名により、本件の中止を求めるための「放射性焼却灰を南本牧処分場へ海面埋め立てすることに反対する会」が発足されました。

会の発足の場は、9月11日に関内駅近く、大通り公園で開催された「911KANAGAWAアクション NO NUKES HAMA ROCK」の会場でした。

井上さくら横浜市議会議員が参加したたっきネット(たきがしら希望ネットワーク)主催の「議員と語ろう」の中で、当会共同代表である渡辺がこの問題を提起し、それに問題意識を持った4名が中心になり、「放射性焼却灰を南本牧処分場へ海面埋め立てすることに反対する会」が発足しました。

2011年9月10日土曜日

放射性物質検出の焼却灰、中区で埋め立て処分の方針/横浜市





9月10日に新聞、インターネットで以下のニュースが発表されました。


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2011年9月10日


 下水汚泥を処理した焼却灰から放射性物質が検出された問題で、横浜市は9日、安全性が確保できたとして、保管していた焼却灰約2700トンを南本牧廃棄物最終処分場(中区)に埋め立てる方針を明らかにした。15日から開始する。

市環境創造局によると、東日本大震災後に焼却灰から放射性物質が検出されたため、それまでセメントや改良土の材料として再利用していた焼却灰を南部汚泥資源化センター(金沢区)と北部汚泥資源化センター(鶴見区)で保管。焼却灰からは1キログラム当たり2442~6468ベクレルが検出されていた。

6月に国が出した「1キログラム当たり8千ベクレル以下であれば埋め立て可能」との通知を受け、市は独自に埋め立ての安全性を評価した。

埋め立てに従事する作業員や沿道で見学する人、埋め立て地周辺の海で作業する漁船、埋め立て完了後に跡地を事務所などに利用した際など、さまざまなシナリオを想定して被ばく状況をシミュレーション。その結果、運搬や埋め立ての処分時では年間1ミリシーベルトを超えず、跡地利用時は年間10マイクロシーベルト以下(大規模掘削工事の時は年間300マイクロシーベルト以下)となることを確認。健康には影響しない数値と判断したという。

同局は、今後も周辺環境に影響を与えていないか、監視態勢を徹底する。最終処分場周辺の空間線量を毎日測定するほか、焼却灰や排水処理施設から出る放流水なども毎週測定する。



→カナコロより転載 元記事