『安全な明日への提案書』

神奈川県知事  黒岩 祐治
平成2416
hamaosen対策協議会

安全な明日への提案書

神奈川県の「被災地がれき」受け入れ表明についての提案

 20111220日、黒岩知事が「被災地がれき」の受け入れを表明されました。
 これまで、黒岩知事は、放射性物質が検出された下水汚泥焼却灰の処理について、環境省や国土交通省を訪れ、国の責任で最終処分場を確保することなどを求める緊急要望を提出するなど、焼却灰問題の対応を優先したい考えを強調し、受け入れには慎重な姿勢を示されていました。

 放射性物質を含む下水汚泥焼却灰の処理の目処が立たない中での、突然の受け入れ表明でした。政令指定都市である横浜、川崎、相模原市で処理作業を分担するとのことです。この表明の前に、神奈川県民、そして3市住民への事前の説明がなされなかったことが残念です。

 広域処理は、結果として、放射性物質の日本中への再拡散、莫大な汚染と二次被曝を招きます。放射性がれきの運搬、焼却、埋め立て処理を行うことで、運搬および焼却における大気汚染、埋め立てによる土壌汚染、水質汚染により、自然環境および周辺住民の健康への影響が懸念されます。

 神奈川県は、福島第一原発から直接飛来した放射能汚染問題や、都市濃縮による下水汚泥焼却灰の処理問題をかかえています。これ以上放射性物質で汚染されたものを受け入れることは困難です。

 現在ある施設は、放射性物質を取り扱う前提でつくられていません。焼却炉に取り付けられた集塵機バグフィルターについては、放射性物質を除去する実験がされていないにも関わらず、「バグフィルターで、99.99パーセント除去できる」といった記述がひとり歩きしています。また、現地での完全な分別が徹底されるのかどうかについても確実な保証はなく、アスベストなどの有害物質が混入されている可能性もあります。がれきの放射線量の測定についても、ストロンチウム、プルトニウム、ウランなどの危険核種の検査がなされていないと思います。がれきの分別に対して誰が責任を持つのか、放射線量について誰が保証するのかも不明では、市民は安心できません。ごみ焼却炉の排ガスの規制基準や測定方法についても、十分な検証がなされていないと思います。現状のままのがれきの焼却は、全国にばらまくのは論外としても、現地でもやるべきではないと考えます。現地における、焼却しない安全な形でのがれき処理への支援を検討すべきだと考えます。

 このような現状で、神奈川県で「被災地がれき」を処理することは不可能であり、大変危険です。
私たちは、神奈川県の自然環境の保全および県民の生命の安全のためにも、以下のことを強く要望し、文書による回答を求めます。

〈提案事項〉
1.放射性物質で汚染された「被災地がれき」の受け入れをしないで、地元での安全な処理への支援策を検討してください。
2.国に対し、放射性がれきの焼却に関して、安全性の根拠についての十分な説明を求めてください。
3.神奈川県の自然環境の保全および県民の生命の安全を守るため、神奈川県内で焼却されている放射能汚染廃棄物(汚泥、草木ごみ)による放射性物質の拡散状況について、十分な測定および測定結果の公表を行ってください。
4.県民が県と広く意見を議論できる、さらには黒岩知事との対話の場を作ってください。


付帯事項:
 黒岩知事は100ベクレル以下と表明されていますが、国では、今回のがれき処理について国際的な確認や国内法で定められているクリアランス制度を適用するとの表明は行っていません。従って、現地から「被災地がれき」が送られて来るにあたって、クリアランスレベル以下に収まるという保障はありません。この点につきましては、黒岩知事には、国に対して見解を求めていただきたいと考えます。
 また、クリアランス制度は、原発施設の解体などを想定した制度であり、今回のような広範囲に大量に放射性物質が環境中に放出される状況は想定していません。クリアランスレベルを守ることはもちろん、現状の中で「総量」問題を考えた時にクリアランスレベルよりさらに厳しい規制を検討することも国に要望していただきたいと考えます。

hamaosen対策協議会  Email:   hamaosen@gmail.com 
ホームページアドレス http://hamaosen.blogspot.com/


添付資料:
(1)がれき受け入れについて医師の立場からの意見書
http://www.radiationdefense.jp/wp-content/uploads/2011/12/c1a973770ad3a28000054a899b4091a51.pdf
(3)動画:海外市民団体の見る日本の汚染瓦礫受入問題(制作:EON


以上
 
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横浜市長  文子
平成2416
hamaosen対策協議会

安全な明日への提案書

神奈川県の「被災地がれき」受け入れ表明についての提案

 20111220日、神奈川県の黒岩知事が「被災地がれき」の受け入れを突然表明されました。
 政令指定都市である横浜、川崎、相模原市で処理作業を分担するとのことです。この表明の前に、神奈川県民でもある、横浜市民への事前の説明がなされなかったことが残念です。

 私たちは、20111020日に、がれき受け入れ反対の要望書を提出しております。あの後も継続して勉強を重ねたところ、国の指針・基準および安全という根拠には疑問があり、放射性がれきの焼却自体も危険であることが分かりました。

 横浜市長は、2011年9月7日の市会本会議にて「(災害廃棄物の受け入れ要請があった場合は、)市民の安全を第一に考えて対応を検討していく」と述べられております。また、横浜市のホームページには、201110月の「放射性瓦礫受入れを拒否してください」という市民の声に対する、横浜市の回答として「安全を第一に考えて検討する」と記載されております。

 これまでも野田総理大臣や細野環境大臣などに対し、放射性物質を含む下水汚泥焼却灰問題や放射線・放射性物質対策に関して緊急要望を提出されるなどして、市民の安全を第一に考え、積極的に動いてくださる横浜市長にはぜひ、国および神奈川県知事に対し、がれきを受け入れないよう要望して頂きたく、お願い申し上げます。横浜市は、下水汚泥焼却灰の処理問題をかかえています。これ以上放射性物質で汚染されたものを受け入れることは困難です。

 広域処理は、結果として、放射性物質の日本中への再拡散、莫大な汚染と二次被曝を招きます。放射性がれきの運搬、焼却、埋め立て処理を行うことで、運搬および焼却における大気汚染、埋め立てによる土壌汚染、水質汚染により、自然環境および周辺住民の健康への影響が懸念されます。

 現在ある施設は、放射性物質を取り扱う前提でつくられていません。焼却炉に取り付けられた集塵機バグフィルターについては、放射性物質を除去する実験がされていないにも関わらず、「バグフィルターで、99.99パーセント除去できる」といった記述がひとり歩きしています。また、現地での完全な分別が徹底されるのかどうかについても確実な保証はなく、アスベストなどの有害物質が混入されている可能性もあります。がれきの放射線量の測定についても、ストロンチウム、プルトニウム、ウランなどの危険核種の検査がなされていないと思います。がれきの分別に対して誰が責任を持つのか、放射線量について誰が保証するのかも不明では、市民は安心できません。ごみ焼却炉の排ガスの規制基準や測定方法についても、十分な検証がなされていないと思います。現状のままのがれきの焼却は、全国にばらまくのは論外としても、現地でもやるべきではないと考えます。現地における、焼却しない安全な形でのがれき処理への支援を検討すべきだと考えます。

 このような現状で、横浜市で「被災地がれき」を処理することは不可能であり、大変危険です。私たちは、横浜市の自然環境の保全および市民の生命の安全のためにも、以下のことを強く要望し、文書による回答を求めます。

〈提案事項〉
1.神奈川県に対し、放射性物質で汚染された「被災地がれき」の受け入れをしないで、地元での安全な処理への支援策を検討してくれるよう要望してください。
2.横浜市で、放射性物質で汚染された「被災地がれき」の焼却処理を行わないでください。
3.国に対し、放射性がれきの焼却に関して、安全性の根拠についての十分な説明を求めてください。
4.横浜市の自然環境の保全および市民の生命の安全を守るため、横浜市で焼却されている放射能汚染廃棄物(汚泥、草木ごみ)による放射性物質の拡散状況について、十分な測定および測定結果の公表を行ってください。
5.神奈川県に対し、横浜市民が県と広く意見を議論できる、さらには神奈川県知事との対話の場を作ってくれるよう要望してください。

付帯事項:
 神奈川県知事は100ベクレル以下と表明されていますが、国では、今回のがれき処理について国際的な確認や国内法で定められているクリアランス制度を適用するとの表明は行っていません。従って、現地から「被災地がれき」が送られて来るにあたって、クリアランスレベル以下に収まるという保障はありません。この点につきましては、神奈川県知事には、国に対して見解を求めていただきたいと考えます。
 また、クリアランス制度は、原発施設の解体などを想定した制度であり、今回のような広範囲に大量に放射性物質が環境中に放出される状況は想定していません。クリアランスレベルを守ることはもちろん、現状の中で「総量」問題を考えた時にクリアランスレベルよりさらに厳しい規制を検討することも国に要望していただきたいと考えます。

hamaosen対策協議会  Email:   hamaosen@gmail.com 
ホームページアドレス http://hamaosen.blogspot.com/

添付資料:
(1)がれき受け入れについて医師の立場からの意見書
http://www.radiationdefense.jp/wp-content/uploads/2011/12/c1a973770ad3a28000054a899b4091a51.pdf

(3)動画:海外市民団体の見る日本の汚染瓦礫受入問題(制作:EON)


以上