2011年9月15日木曜日

エネパレのスタッフと一緒に現地の見学会を実施します


目次


【1】放射性廃棄物の海面投棄について


横浜市は9日、処理済みの焼却灰から放射性物質が検出された問題で安全性を確認し、
保管中の焼却灰約2700トンを南本牧廃棄物最終処分場(中区)に埋立てると発表しました。

決定から6日後の15日に海面投棄開始、
この事実を知らない方も多いのではないでしょうか。

市環境創造局によると、焼却灰からは高濃度の放射性物質が検出され(最高6,468ベクレル/kg)
これをふたも屋根もない海に投棄するといいます。
しかし市は 6月に国が出した「1キログラム8千ベクレル以下ならば埋め立て可能」を受け、
独自に埋め立ての安全性を評価したそうです。

市はさまざまな被ばく状況をシミュレーションした結果、
運搬や埋立の処分時では年間1ミリシーベルトを超えず、
跡地利用時は年間10マイクロシーベルト以下と確認、健康には影響しないと判断。


この唐突な問題に対して、全国から市の対応に疑問・怒りの声が挙がっています。
議会での議論も十分に行われず、汚染した下水汚泥の処理や安全性も分からず、
地元住民への情報公開・説明があまりにも少ないからです。
本当に海に投棄されたら、日本だけでなく、世界の海も汚染されていしまいます。

13日、これに対して一般市民による反対の会の約80人が、海面投棄中止を求める抗議文を市に提出。
同日、横浜市会議員の方のブログにて南本牧への海洋投棄が延期になったとの情報があります。
でもあくまで中止ではなく延期。まだ今後も油断はできません。

【2】アクション-すぐできること--


もし埋め立てが行われたら?想像してみましょう。
身近な所では、魚介類などの食物や生態系へも影響し、
今まで食べられていた物が食卓から消えてしまうかもしれない。
海でおこなう、トライアスロンやサーフィンを楽しむ事も難しくなる。
日本だけじゃなく世界の海を守るためにも、
みんなでアクションで起こしましょう!

<Lets Action!>
◆横浜市役所に電話、FAX、メール、で抗議の声を伝えよう!
担当は市環境創造局です。

◇電話番号 :045-671-3741
◇FAX :045-661-2351
◇メールアドレス:sh-kochosodan@city.yokohama.jp

◆twitterでつぶやいたり、情報を広めよう!
◇横浜市twitter アカウント
@yokohama_saigai
@yokohama_koho

◆9月15日に直接現地に行こう!
公式に市からの回答が芳しくない場合、エネパレは
【9月15日(木)】に座り込みを兼ねた、南本牧廃棄物最終処分場の見学に行こうとしています。
ぜひたくさんのメンバーに参加をしてほしいです。

日時:9月15日
※時間については未定ですが、8時前後を予定しています。
一度連絡をもらえたらと思います。

集合場所:JR根岸駅
(目的地:南本牧廃棄物最終処分場 http://104.com/name_0456259647/
「横浜市南本牧廃棄物最終処分場管理事務所」 神奈川県横浜市中区豊浦町 045-625-9647 )

問い合わせ先:小宮
080-5672-3821/sawabanggg@yahoo.co.jp

【3】ことの経緯 (2011年9月)


今回の横浜市の埋め立てに関する一覧の流れをまとめてみました。


9日(金) ー横浜市 環境創造局がホームページ上にて
「下水汚泥焼却灰の埋立を実施します ~安全を確認~」と公式に発表
 http://www.city.yokohama.lg.jp/kankyo/kisha/h23/110909-1.html


11日(日) ー「放射性焼却灰を南本牧処分場へ海面投棄することに反対する会」※発足

13日(火)ー横浜市に対して抗議文と署名の提出・記者会見の実施
梅津 秘書部長は「15日までに回答します」とコメント
ー同日、横浜市会議員の方のブログにて
南本牧への下水汚泥焼却灰を埋め立て延期になったとの情報があります。
http://furuyayasuhiko.blog15.fc2.com/

14日(木)ー抗議に対する回答の予定日

15日(金)ー横浜市が発表した放射性廃棄物の海面投棄開始日


※一般市民によって9月11日にできた、
「放射性焼却灰を南本牧処分場へ海面投棄することに反対する会」のメンバー、
およびこのニュースを知って抗議にかけつけた一般市民。


<参考/関連ニュース>

~横浜市の資料~
◆この件についての横浜市の記者会見資料
http://www.city.yokohama.lg.jp/kankyo/kisha/h23/images/110909-1.pdf

◆横浜市 環境創造局「放射性物質を含む汚泥焼却灰等の処分に関する安全評価検討書」
有識者がお墨付きを出したという。
http://www.city.yokohama.lg.jp/kankyo/gesui/housyaseibussitsu/kentousyo.pdf


~問題を詳しく知りたい~
◆放射性物質検出の焼却灰、中区で埋め立て処分の方針/横浜市
:ローカルニュース : ニュース : カナロコ -- 神奈川新聞社
http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1109090035/

◆全国初!放射性廃棄物を海面投棄する「南本牧処分場」への下水汚泥焼却灰処分、
キケンがいっぱい。 - 井上さくらのトキタマ日記
http://d.hatena.ne.jp/sakuraline/touch/20110911/1315740637

~新聞の報道~
◆産経ニュース「住民に説明ない」横浜市議会、セシウム灰埋め立てで市の対応批判
http://sankei.jp.msn.com/region/news/110913/kng11091320530006-n1.htm

【4】問題点


1)偏った専門家による安全性の評価への疑問
横浜市はこの処分を決める際、以下の有識者によって安全性が評価されたとしてます。
http://www.city.yokohama.lg.jp/kankyo/gesui/housyaseibussitsu/kentousyo.pdf
その有識者とは、田中 知氏(原子力学会学会長)を先頭に、国の審査委員の名がずらり。
またセシウムのみの測定にも疑問の声が寄せられています。
もっと様々な側面から、色々な立場の研究者・学者による安全性の十分な検証が必要です。


2)不十分な情報公開
議会も通さず、東京湾内付近の住民・漁業従事者への説明もなく決定がされ
困惑する人が多くいます。

とにかくこの問題を「知らなかった」という人が声がたくさん。
決定からたった6日間で海洋投棄開始、ニュースでも伝えられず
twitterやSNSを使って、一般の人たちが問題を知らせてくれました。

この問題に関して、市民への情報公開として
東京湾内の住民、ひいては日本国民への説明会も設けることが必要です。


3)日本の海から世界中の海への汚染拡大のおそれ

今回の海面投棄は、「海水面埋立方式」のためフタも屋根もなく、
横浜港の海水とは「遮水護岸」という水を通さない壁で仕切られているのみ。
処分場の浄化装置を通して、海に放射性物質が放水しています。

とはいえ、放射性廃棄物の投入など想定されていないため、
浄化装置がセシウムなどを全て取り除ける訳ではありません。

また津波の想定はされていませんから、護岸を超える波がくれば、
処分場の中も外も一緒になってしまう構造です。

市は、国の埋立基準濃度(8,000ベクレル/kg)を下回っている、としていますが、
この基準を決めた国の通知
「放射性物質が検出された上下水処理等副次産物の当面の取り扱いに関する考え方」は、
海面埋立も、処分後の土地利用も想定していません。
(参考:横浜市市会議員 井上さくらさんのHPより)

横浜、日本の海が汚染されるだけではなく世界中の海にも影響が広がることになります。
そうすれば、国内にとどまらず世界への十分な安全性の説明責任も求められます。


4)横浜市の決定が全国自治体に影響する可能性

政令指定都市であり、政治・産業・観光として国際的都市でもある
横浜市は、日本全国に重要な影響力を持っています。
もし横浜市がこの焼却灰の海面投棄を容認し、こうした事例ができてしまえば
いずれ、周辺市や県にも広がるかもしれません。
そうすると日本国中に放射性物質が巻き散らかされる可能性もあり
どこから手をつけていいかわからない事態が出てくることが予想されます。
全国初のこの決定を、中止・阻止する必要があります。

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