2014年7月31日木曜日

セメント協会の見解

2011年の情報ですが、「一般社団法人 セメント協会」が
「放射性物質が検出された下水汚泥、浄水発生土のセメント原料の利用について」
という発表をしています。
http://www.jcassoc.or.jp/cement/1jpn/110728.html


要点:
・セメントの段階ではクリアランスレベルの2倍(200Bg/kg)の濃度まで許容される
(セメントとして袋づめして販売されるものは100Bg/kgが上限)
・ 放射能濃度が1000Bq/kgのセメントを使用して製造されたコンクリートの床、壁、天井で囲まれた居住空間における被ばく線量は0.36mSv/年
理由:
被ばく0.36mSv/年は、原子力施設が公衆に与える被ばく限度である1mSv/年を下回るものであり、健康への影響が起こることは考えがたい。



放射性物質が検出された下水汚泥、浄水発生土のセメント原料の利用について

  東京電力株式会社の福島第一原子力発電所の事故により、東北地方、関東地方などの下水処理場の下水汚泥または浄水場の発生土から放射性セシウムが検出されていることが報道されております。
  セメント業界は循環型社会の構築に貢献すべく、種々の廃棄物をセメント原料の一部として利用しておりますが、その中に下水汚泥または浄水発生土も含まれております。
  ここに、放射性物質が検出された下水汚泥、浄水発生土のセメント原料の利用について、セメント業界の対応状況、健康への影響評価に関する情報、セメントの放射能濃度の実態について概要をお知らせ致します。
  放射性物質が検出された下水汚泥、浄水発生土のセメント原料の利用について、皆様のご理解をお願い申し上げます。

 1.セメント各社の対応状況
  上記の状況の中、政府(厚生労働省、経済産業省、国土交通省)から6月28日付けでセメント協会に対して、放射性物質が含まれている脱水汚泥等を安定的に受け入れるよう要請があり、会員各社に周知を行いました。
  要請内容は以下のとおりです。
(1)    セメントを生コンクリートや地盤改良材として利用する場合には、生コンクリートや土壌と混練する段階まで管理されていることから、少なくともセメントが2倍以上に希釈されることを考慮し、セメントの段階ではクリアランスレベルの2倍の濃度まで許容されることとなる。ただし、セメントとして袋詰めで一般に販売される場合には、販売店に引き渡される前に、セメントの段階でクリアランスレベル以下とすることが必要である。
セメント各社は、脱水汚泥等の放射能濃度の管理や希釈度合いをコントロールし、セメントを利用して製造される生コンクリート等が安定的にクリアランスレベル以下とすることにより、今後とも脱水汚泥等を安定的に受け入れるようお願いしたい。
(2)    別添2では、セメントのユーザー団体(124団体)ならびに下水道管理者(都県ならびに市の24自治体)に、上記(1)の内容を満たしているセメントを利用して差し支えない旨の周知が行われています。
  なお、クリアランスレベルについては「セシウム134とセシウム137の放射能濃度の和が100Bq/kgである」ことが明記されています。
  セメント協会の会員社ではこの要請を受け、放射性物質が検出された下水汚泥、浄水発生土の使用について慎重に検討し、セメントの放射能濃度が政府より示された要件を満足することを確認して、下水汚泥、浄水発生土の使用を順次、再開しております。
セメント協会への要請文


  2. 健康への影響評価
  国土交通省のホームページにおいて、「福島県内の下水処理副次産物の当面の取扱いに関する考え方について」という報道発表資料が公開されており、この資料(PDFファイル)のP.5-P.6の「福島県内の下水処理により発生する脱水汚泥を再利用して生産されたセメントによる放射線の影響評価について」(原子力対策本部)で放射線の影響評価が行われています。
  放射能濃度が1000Bq/kg(クリアランスレベルの10倍)のセメントを使用して製造されたコンクリートの床、壁、天井で囲まれた居住空間における被ばく線量は0.36mSv/年と評価され、これは平常時に原子力施設が公衆に与える被ばく限度である1mSv/年を下回るものであり、健康への影響が起こることは考えがたいとしています。

* 国土交通省のホームページ
  「報道・広報」→「報道発表資料」→「平成23年5月」
  <2011年5月12日>
  「福島県内の下水処理副次産物の当面の取扱いに関する考え方について」
    http://www.mlit.go.jp/report/press/city13_hh_000125.html


  3.セメントの放射能濃度の実態
  セメントの放射能濃度に関する情報は各セメント会社のホームページにおいて公開されていますので、ご参照下さい。

2014年7月25日金曜日

放射性物質含む汚泥焼却灰 横浜市が建設資材化へ:東京新聞記事

http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/20140725/CK2014072502000118.html


保管スペースが限界に近づいている汚泥焼却灰のコンテナや袋。建設資材化の搬出作業の撮影は許可されなかった=横浜市金沢区で
 
 東京電力福島第一原発事故の影響で横浜市の下水汚泥に放射性セシウムが含まれ、最終処分が凍結されている問題で、市が焼却灰を建設資材化する業者に試験的に搬出し始めたことが分かった。市は「資材に混ぜて薄めるため、放射性廃棄物として扱う必要がないレベルになり、安全と確認している」としているが、発表していない。 (橋本誠)

 毎日約四十トン発生する焼却灰は以前はセメント原料として業者に再利用されていたが、原発事故で停止。二カ所の汚泥資源化センターに保管されている量は約三万四千五百トン(六月末現在)になり、置き場所は限界に達している。市は新たに発生する焼却灰を南本牧廃棄物最終処分場(中区)の陸地部分に埋め立てる計画だが、住民や港湾関係者の反対で実現していない。

 保管している焼却灰の放射性物質濃度は、二〇一一年六月に測定された一キログラム当たり六四六八ベクレルが最高。国の基準の一キログラム当たり八〇〇〇ベクレルより低く、最近発生しているものは同数百ベクレルに下がっている。市によると、業者から「三〇〇~五〇〇ベクレルなら建設資材に使える」と提案があり、今月十八、二十四日に各約九トンを南部汚泥資源化センター(金沢区)から搬出した。

 二十五日にも搬出し、八月中旬からは毎日十トンずつ来年三月末まで運び出す予定。市が負担する処理経費は一トン当たり約三万円となる。市下水道施設管理課は「震災直後から保管している焼却灰は無理だが、日々発生している新たな焼却灰は処理できる可能性がある」としている。

◆「風評被害招く」と業者など非公表 市民ら懸念「計画明らかに」

 横浜市は焼却灰の建設資材化を始めたことを発表せず、資源化の詳しい方法や業者名も公表していない。「風評被害を招くため」としているが、関係者らからは疑問の声も出ている。

 本牧・根岸地区連合町内会の岩村和夫会長は「以前にセメント会社が引き取っていたように資源化できるのなら、資源化していただきたい」と一定の理解を示す。ただ、市から詳細は聞いておらず、「実際にやるなら事前に知らせてほしかった」とも話している。

 市民団体「hamaosen対策協議会」の大谷賢治共同代表は「搬出されている焼却灰の放射性物質濃度や使い方がはっきりしていない」と前置きしたうえで、「拡散につながるような使い方はやめてほしい。計画を明らかにし、民主的に進めてほしい」と懸念を示した。

 井上さくら市議は「薄めて拡散させるのではなく、濃縮して容積を減らし、管理すべきだ。少なくともデータを公表してほしい」と求めている。

2014年7月24日木曜日

井上さくら横浜市議会議員のtwitter情報と補足

井上さくら @sakuraline    7月22日   

【横浜の汚泥焼却灰、コンクリートに】①~⑤

放射性セシウム汚染が継続している汚泥焼却灰、横浜では港湾関係者や市民の反対により埋立てが止まり保管中だが、これをコンクリートの骨材として民間会社が引き取って製品化、市場に出す事になった。
一日10トンを南部下水汚泥センターから運び出す。

最近の横浜の汚泥焼却灰汚染度は400-500ベクレル。
これをコンクリート原料の一部として希釈するので製品としてはクリアランスレベル(100Bq)以下になり安全という。
で、受ける会社とはどこ?
と聞くと「それは言えない」と担当者。

本当に安全なら、受託会社名も汚泥焼却灰から製造されるコンクリートの製品名も公表すべきですね。
「風評でこの事業が止まると困る」との事ですが、安全に関して消費者が判断できる情報を出さずにこういう事すると、逆に業界全体が困らないでしょうか?

横浜市は汚泥焼却灰を引き取ってもらうため、1トンあたり約3万円の費用を税金から業者に支払う。
コンクリ製造業者は、材料も処理費用も市から貰って製品化し、これを市場で販売。
公金で行われる事ですから会社名を伏せてはおけないはずです。

「埋立てもダメだしコンクリ化もダメ、じゃあどうしろと」
放射性物質を希釈、拡散すれば、環境中にバラまかれ管理が困難になるばかりです。
集中、減容⇒封じ込め・厳重管理、が基本。
8,000Bq超にして法に基づく管理をすべきと思います。

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hamaosen補足:
311以前も横浜市は有償で汚泥焼却灰の一部をセメント材料として引き取ってもらっていました。
しかし受け取りを拒否され、焼却灰は溜がたまっていき、2011/09の南本牧処分場(つまり水の中への)埋め立て発表に至りました。(その後市民の反対で凍結)
しかし コンテナに入れるなどの対応も限界に近づきました。そこで市は、2013年秋、南本牧の埋め立てではない部分(と市は主張するゴミで陸地化した部分=それでも水分は非常に多い部分)に、試験埋め立てをすると発表、地元への説明などを行いました。港運協会、地元の一部の反対もあり、凍結状態が継続していました。
なお、昨年は、セメント会社が風評被害を恐れて300Bg/kg以下になったとしても、コンクリートの原料として受け取ってくれない、という情報もありました。

下水汚泥焼却灰の一部を業者へ試験搬出 埋め立て計画凍結の横浜市:神奈川新聞記事

下水汚泥焼却灰の一部を業者へ試験搬出 埋め立て計画凍結の横浜市
2014.07.23 03:00:00

 港湾関係者や住民らの反発で放射性物質を含んだ下水汚泥焼却灰の埋め立て計画を凍結している横浜市が、試験的に焼却灰の一部を建設資材の原料として民間業者に搬出し始めたことが22日、分かった。
  市環境創造局によると、試験的に搬出するのは現在1日約40トンペースで発生している焼却灰(放射能濃度1キロ当たり300~500ベクレル程度で推移) の約10トン分。処分費として1トン当たり3万円余りを市が負担する。搬出先は民間企業だが、会社名や具体的な再利用方法などは明らかにされていない。
 今月18日に初めて9トンを搬出。さらに今週中に1~2回搬出した上で、8月以降は来年3月末まで毎日約10トンずつの搬出を目指す。
  焼却灰の埋め立てをめぐっては、市民らの反対を受けて2011年9月に計画を凍結。昨年9月には現在発生している放射能濃度の低い焼却灰に限り、南本牧廃 棄物最終処分場(同市中区)の内水面ではなく、陸地部分に埋め立てる方針に転換した。現在も地元町内会や港湾関係者と話し合いが続いている。
 ことし6月末時点で、市内2カ所の汚泥資源化センターでは計約3万4500トン(南部約2万3千トン、北部約1万1500トン)を保管。特に南部は保管スペースが限界を迎えており、同局担当者は「試験的とはいえ再利用ができるのは良かった」と話している。

http://www.kanaloco.jp/article/75078/cms_id/92750
【神奈川新聞】